住空間設計Labo(ラボ)
常にチャレンジを繰り返す設計集団。「ひと」を中心とした住まいづくりで、あなただけの物語をかなでます。
兵庫県明石市に事務所を構える、住空間設計Labo(ラボ)さんのご紹介です。
設計士が39名在籍(※2015年12月現在)というのは、すごい人数ですね。
弊社は設計担当がすべての工程を担当するという方式をとっています。
設計にとってお客様からの聞き取りというのは、何より重要な仕事です。
お客様との対話を重視した結果がこの形なのです。
私も設計者ですので、現場への伝達では何度も苦しんできました。
より細かい設計を実現するためには、接客した者がそのまま設計に入り、基本的に同じ人間が担当することが肝要です。
もちろん、設計者によってバラツキが出ず、Laboのクオリティを保てる工夫を行っています。
その最も大きな取り組みが、今でも常に更新され続けている、2種類の分厚いマニュアルです。
施工編と意匠編の2冊に分かれ、微に入り細に入り解説されています。
施工編では、漏水事故防止のポイントや、危険なディテールに対する警告など、職人にも伝わるようにこと細かく記しています。
意匠編では、放っておけばこのディテールになるというところまで突き詰めています。
Laboの誇りであるこのマニュアルをベースに、それぞれの設計者がアレンジし、提案をします。
二度と事故が起こらないように、また、こうしたら美しい。そう言った集大成なのです。
このマニュアルの原型を作ってから10年になりますが、常に改変され、成長しています。
私はネチっこい性格なので、良いものをつくるためならば、10年だろうと何年だろうと継続します。
Laboのモットーは、施主、職人、材料、それぞれに対する思いやり。
周りに住まう方も含め、「ひと」を中心に考える家づくりです。
材料に対する思いやりというのは、他社ではあまり見かけないでしょう。
細かい材料の使い方、ディテールにはとてもこだわっています。
一般の方が見えない、気づかない部分までつくり込む。そうすると、自然だから気にならないんですね。
今回里山住宅博に出展されたきっかけは?
一言で言えば「チャレンジ」です。
木を愛する多くの企業が一堂に会する場です。木を愛する企業として出ないわけにはいかない。
技術のお披露目の場でもあり、勉強の場でもあります。
Laboは、総合展示場のモデルハウスのような、人が住まないまま取り壊すようなものは建てません。
そういった意味でも、最終的に住んでもらうというのは意図に沿っています。
今回の一番大きなチャレンジは、革と木のコラボレーションです。
皮革加工という分野は、兵庫県が全国No.1なのです。
なめす。「皮」を「革」にするという過程ですね。
木を扱う業界と皮革業界をむすびつけられればというのが、今回の挑戦です。
木と革は相性が良いし、似ています。
共に経年変化を楽しむ素材です。生きものという部分でも一緒です。
木が生きてきた証が年輪です。
皮に年輪はありませんが、動物が怪我をした跡が、革製品となった後「味わい」になったりするのです。
今回は、Laboとデザイン専門学校Vantan (バンタン)の学生との産学協同プロジェクトとして、革の建材「皮革のドア」に挑んでいます。
そのお披露目の場として里山住宅博を選びました。
一般の方はもちろん、建築家や素晴らしい工務店の方など、目の肥えた方にもぜひ見ていただきたい。
Laboという企業は、チャレンジを通じてストーリーを紡ぎ出す企業なのです。
チャレンジですから、最初自分は「何にもわからないんだ」というスタンスでヒアリングするところから始まります。
知ったかぶりしないで聞くと、意外と受け入れてもらえるものです。逆に親切に語ってもらえます。
以前、佐伯チズさんと共につくり上げた『木の物語』プロジェクトはとても印象的でした。
一般的に木は「テクスチャ」として扱われると思うんですよ。以前は我々もそういう扱いをしていました。
しかし、本当に木を愛する佐伯さんの満足する「木」を求めるにつれ、我々も木を愛するようになりました。
そして、天然木の素晴らしさに気づいたのです。
お相撲さんの下駄は桐で作られています。弾力、柔らかさが膝の負担を軽減するんですね。
だから、キッチンは桐のフローリングにすると奥さんにもやさしい。
人生の檜舞台(晴れ舞台)で生活しようと、リビングは檜のフローリングにする。
すくすく育つという語源を持つ杉の勉強机を子どものために造り付ける。
木が生み出すストーリーは尽きません。
プロジェクトの最後に、佐伯さんに山桜のテーブルをプレゼントしたのですが、そのテーブルは毎年4月に桜餅のような香りを放つのだそうです。
製材されて8年にもなるのに、今でも桜が満開の頃を忘れていないかのようです。
webサイトにも公開している『誕生木(たんじょうもく) 12の樹の物語』も、大変好評を得ており、ウッドデザイン賞2015を受賞いたしました。
物語を気に入ってくれた産婦人科さんに、赤ちゃんが生まれた誕生月にちなんだ木、「誕生木」でつくった木製の卵をお届けするといった取り組みも行っています。
一発ではパスできない細かくて厳しいLaboの検査。
職人の腕も磨かれます。
そんな木の家を一緒に建てられる職人さんについて教えてください。
30歳位の若い人が棟梁としてどんどん独立してきています。
自宅もLaboで建てている程信頼してくれていますし、最近はモデルハウスを任せられるほどに腕を上げてきました。
Laboは検査がすごく厳しくて細かいんです。
必ずどこかダメが出ます。防水検査など、半日かかる検査を2度も行います。
だから、職人は嫌がるんですけど、そんな職人も自分の家を建てる時はやはりLaboを選ぶんですね。品質としての信頼度は高いと思います。
また、職人にとっても鍛えられる環境であると言えるでしょう。
今回の建物について教えてください。
LDK、和室、階段室、バルコニー等1、2階の各空間が「一坪里山」のある中庭を取り囲むことで、日々の暮らしの中で家族と自然との関わりを生み、また自然を介して家族が繋がるように計画しています。
玄関ホールからLDKへ入るところが皮革の引き戸となるので、是非注目してください。
革と天然木のコラボが味わい深い表情を見せ、経年変化も愉しめるため、癒しを与え、永く住み続けたくなる住まいとなります。
通風解析を始め、建てる前のシミュレーションも念入りに行い、できるだけエアコンを使わない環境をと考えています。
光熱費のシミュレーションも行っておりますので、興味のある方は声をかけてください。
石油製品まみれとなった住まいの中で、今一度原点に帰り、日本人が慣れ親しんだ木に触れ、何かを感じていただきたいです。
Laboさんの目指す工務店とは?
潜在的に持っている価値観を掘り起こして、オーナーに対して表現したいですね。
木に全く興味がない方でも、私たちと「ものづくり」をすることによって、木ってこんなにいいんだ、革と木って合うんだ、という発見をしていただきたい。
今、日本固有の侘び寂びなど素晴らしいものが、合理化に飲み込まれつつあります。
そういった失われた感性を発掘する企業でありたい。
日本の文化は素晴らしいものです。
代表取締役 渡辺 喜夫 さん
広報部部長 伊東 朋哉 さん
にお話を伺いました。
皆さん一級建築士。設計士の熱い想いが感じられる取材となりました。
里山モデルでどんな新しい世界を見せていただけるか、楽しみです。
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会社名
株式会社Labo
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所在地
〒673-0016
兵庫県明石市松の内1丁目4番地の13(明石ショールーム)
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電話
078-929-1551
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FAX
078-929-1857
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E-mail
honbu@jk-labo.com
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ウェブサイト
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代表取締役
渡辺 喜夫
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沿革
2002年 設立 2002年 一級建築士事務所登録 2007年 建設業許可(建築工事業) 2008年 本社事務所(明石市松の内)完成、及び移転 2008年 西部事務所(加古川市野口町)新規開設 2012年 西部事務所 一級建築士事務所登録 2013年 Labo West 事務所(加古川市加古川町)完成 2014年 Labo 西宮事務所 開設 他に類を見ないしっかりとした設計マニュアルの元、設計士による手間ひまをかけた家づくりを実践している。