緑の町をつくりました。

ブロックを数段積んで、スチールのフェンスで囲う外構方式をやめました。アルミ製のカーポートも、スチール製の物置も、自主的な〈設計ルール〉によって禁じられています。これらの材料が嫌いなわけではありません。〈緑の町〉の外構材として、ふさわしくない、と考えたからです。
私たちは、住まいを潤してくれるものとして、緑溢れた町にすることを決めました。

木の家だけの建物にしました。

木の家は、その土地に群生するキノコなのだ、と建築史家・伊藤ていじは言いました。この町は、切妻屋根が大半を占めています。近頃、軒の出がない家が増えています。日本の雨は横殴りに降る時があり、冬と夏の太陽高度も大きく異なります。切妻の軒の出の深さは、建物や暮らし方に影響をもたらします。
狭い都会ではともかく、郊外の家まで軒のない家にしたくない、と考えました。

ライフスタイルは里山スタイル

耐震や省エネ性能が高ければ、それがいい家だと言われるようになりました。性能は、住まいのベース技術であり大切です。けれども、住まうことの歓びがなければ家ではありません。
真冬と真夏に耐えるだけの家でなく、夏に涼風があれば、ぶどう棚の下でそれを愉しみ、おだやかな冬の日差しがあれば、それを受け入れたいと思います。寒ければ薪ストーブを燃やしましょう。

ここに建つすべての建物は、〈住宅博〉会期終了後、〈上津台百年集落街区〉として住み継がれます。

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