資産となる風景
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2017年06月19日

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里山住宅博街区では、昨年植えられた木々がひとまわり成長し、石積みや板張りのなどの自然素材とともに、一段としっとりとした美しい「まち」が完成しつつあります。

郊外の分譲地の多くで見かけられる、ブロック塀やアルミフェンス、コンクリート擁壁、前面に停められたむき出しの車、タイル風のサイディングの張られた建物の外観…
私たち建築にかかわる者は誰も望んでいないにもかかわらず、諦観せざるを得なかった経済性優先と公共への無関心から出来上がる乾いた「まち」…
そのような状況に風穴を開けることは、今回のプロジェクトの大きな目的の一つでありました。

設計にあたりいつも感じることは、どんなに頑張っても建物だけでは良くならないということです。自然を取り込むことで初めて居心地の良い空間となり、そのためにも豊かな外部環境をつくる必要がありました。
また、建物の外観としても、緑があり、自然があり、雑然としたものがさらけ出されていないからこそ、美しい佇まい、風景となるのです。

今回のプロジェクトで、造園家・田瀬理夫氏が手掛けたランドスケープと、周辺環境に配慮した設計ルールの下つくられた建築群の価値は、専門家の評価に比べ、一般的にはまだまだ認知されているとは言えません。今は高感度の人が注目しているこの価値感は、今後、緑の深まりとともに、徐々に受け入れられ、評価も一層高まるに違いありません。

「まち」は共有の資産となります。
このような「まち」を選択される方も素敵な方ばかりで、そういった面からも、ますます価値の高い「まち」になるのではないでしょうか。

木内一德/d+bアーキテクチャー

「里山」のある贅沢
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2017年01月20日



先週末の寒波で、里山住宅博のある神戸市北区は大雪ででした。
里山もすっかり雪景色となり、北国の温泉に来ているようでちょっと得した気分になりました。
昨年の春に里山住宅博がオープンしてから夏、秋、冬を経て、それぞれの季節の里山の自然の素晴らしさに触れることができました。

里山見上げ
オープンしたころには、久々に見る、ヒバリが垂直に飛び上がり空高くさえずる姿に見とれ、ウグイスを初め野鳥の多さに驚いていました。
「里山」にウメ・クリ・カキ・ビワ・アマナツの五木の苗木が植えられると、すくすくと成長していきます。春から夏の自然の生命力は圧倒されるほどで、水盤にはカエルやトンボがやって来て、芝生テラスにもバッタが住み着きます。抜いても抜いても草が生えてきます。朝夕には涼風が吹き上げるとはいえ、大粒の汗を拭いがら、みんなで草刈りをしたのもこの季節でした。
秋になると自然の生命力も落ち着き、庭の広葉樹や、里山が色づきます。美しさに見とれているうちに、カエルは冬眠に入り、里山もモノトーンの風景となりました。目前に迫っていた山も、今は少し遠くに感じますが、これから暖かくなって新緑の季節にはどれほど心躍るかと思うと、今から楽しみでなりません。

里山草刈り2
「里山」の整備も始まっています。NPOの力も借り、竹を粉砕して肥料をつくり、間伐した木から薪をつくっています。自然に人の手を入れ、保存しながら利用します。また、植樹した五木の果樹だけでなく、散策路沿いに野菜を植える計画も進んでいて、「里山」ますます豊かな実りをもたらしてくれそうです。

都市基盤の整った開発地の周縁部だからこそ生まれた「里山」、この斜面地を放置するのではなく利用することが、環境を保護することにつながります。そして、何より、都市で働き、暮らす人にとって自然の中での活動はかけがえのないものになるのではないでしょうか。(全国的も注目されており、毎週、多くの人が見学に来ます)

里山まちなみ夕景
里山住宅博では、緑あふれる「まち」と、趣向をこらした「木の家」が見られます。見た目だけでなく全棟が長期優良住宅で、性能も高い家を、最も寒いこの季節に体感してください。そして「里山」という身近な自然のある贅沢をぜひ感じてください。きっと、気に入ってもらえると思います。

里山スタッフ一同お待ちしております。

まもなく終了
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2016年11月18日

寒さの厳しい神戸市北区にある里山住宅博にも、冬が迫ってまいりましたが、天気が良い日は窓を開けて心地良い空気を入れています。
太陽が低くなり、午前中はダイニング奥まで日が差し込みます。質量のあるコンクリート土間は蓄熱できる容量も大きく、しっかりと熱を蓄えます。
土間テラスの深い軒は、夏の日射を遮りながら、冬の日差しは邪魔しません。昔から取り入れられている伝統的なパッシブデザインですね。

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土間への日差し

その他にも、住宅博内には、太陽光から集熱する装置「ビオソーラー」や薪ストーブなど、冬だから体験できるアイテムも多数あります。
6月15日にオープンした里山住宅博ですが、全棟見学できるのは12月15日までです。以降は、順次ご入居が始まります。
まもなく終了する里山住宅博、お見逃しなく!

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自生植物・石でつくられる「まちなみ」

「旅行?行かなくなりましたね」
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2016年10月01日

 

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先日、大阪市内で建てたお宅に、2年ぶりに雑誌の取材でお伺いししました。
旅行の話になった際に、建て主さんは「そういや、旅行に行かなくなりましたね。中庭のモミジを見てる方だけで癒されますから」と言われました。
人間は自然の一部ですから、その中にいるのが心地良い。そして、小さな中庭の1本の木が自然を感じさせることを、私たちは知っています。また、反対に、現代人は、生々しい大自然の中ではストレスを感じてしまうことも認めざるを得ないところです。

そういった意味でも、今回の里山住宅博の敷地は、整った都市基盤と豊かな自然を合わせ持つ希少な立地です。
住まい手が共有する「里山」では、栗や柿、梅、枇杷、甘夏を育て、収穫する。子は小さな冒険をし、自然の怖さや美しさを体感する。
苦労もあるかもしれませんが、それを乗り越えたところに喜びや、連帯感も生まれるに違いありません。

オモテは現代的な街で、ウラは悠久の里山という住環境。ホテルの部屋から見るような眺望を、ぜひ、見に来てください。

 

 

「感動して、鳥肌がたった」
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2016年09月05日

里山日没先日、見学いただいた方から「感動して、初めて鳥肌が立った」とお聞きしました。
「南北に抜ける家」は、リビングの間口いっぱいに開けた窓から、里山の風景が見えるのですが、窓の前にしばらく立ちつくし「「感動して…」と。そして、少し考えながら「風景だけでなく、この木の梁やフローリングと一緒にあるからいいんだ」と続けられました。ダイニングからリビングを見る

私たちは、家だけでは豊かな生活空間をつくることはできないと考えています。内部と同じように外部空間が大切で、太陽の光や風を取り込み、植物を植え、その場の持つポテンシャルを増幅させるよう心がけています。
この家は、開発地の周縁に建ち、里山の風景が一望できる素晴らしい立地で、設計にあたっては、この眺望を最大限内部に取り込むプランとしました。
景色はもちろん良いのですが、家の中というのがポイントで、無防備でストレスから解放した状態で、自然の風景に包み込まれることが感動につながるのではないでしょうか。

たいへん有難いご感想をお聞かせいただき励みになります。ありがとうございました。

夕方の「まち」を見てください 8月27日(土)、28日(日)
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  2016年07月29日

里山住宅博では、827()28()2日間、ナイター営業(午後8時まで)を行うことになりました。

少し涼しくなった時間帯に、夕方から夜にかけての「まち」の表情をご覧ください。きっと、昼間とは違った発見があるはずです。

外観(夕景)2今回の住宅博は、いわゆる住宅展示場ではありません。

実際に「住む」ための家をつくりました。

・地域の植物や石を用い、全体のために定められた設計ルールに基づく、美しい「まちなみ」

・それぞれの敷地が持つポテンシャルを引き出し、日々の暮らしに取り込むよう設計された、心地よい「住まい」

なども、ぜひ、ご覧ください。

 

里山からの心地よい風
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2016年07月20日

「南北に抜ける家」は里山の緑に面しているため、心地よい風が通り抜けます。未だにエアコン無しで過ごせています。アスファルトや建物の間を通ってきた風と、土や木々を抜けてきた風がこんなに違うものかと実感しています。
先日の上田明氏撮影による写真が上がってきたので掲載します。
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腕によりをかけてつくった、この家の住まい手を探しています。
詳しくは、d&bアーキテクチャー現地スタッフまたは、info@d-b.co.jp まで。

「南北に抜ける家」外観/d+bアーキテクチャー
04号地 d+bアーキテクチャー  出展工務店ブログ
  2016年03月08日

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上棟後の外観です。

模型のように、二重の屋根ををつくっていきます。

左側が中庭に抜けるアプローチになります。

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