炎の力をかりて土を仕上げるということ
15号地 大塚工務店  出展工務店ブログ
  2016年04月06日

雨上がりの現場写真、これはなんでしょう
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答えは屋根に葺いた瓦です。艶消しの風情は炎のゆらぎが色として表れていて、一枚一枚穏やかに色の変化を重ねています。一枚として同じ色艶のものはなく、木や土と同じく自然の恵みとしての、自然素材の真骨頂です。当たり前のことかもしれませんが、焼物の名の通り、兵庫の人が兵庫の土を「焼く」という手法を用いて、瓦は土の可能性を引き出してくれています。
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いぶし瓦の一種で、窯変という製法で仕上げています。釉薬を用いず、焼いて燻すことで独特の艶消色が生まれます。いぶし銀の名の通り、いぶした瓦は一般に銀色に鈍く光ります。窯変は、さらに創意と工夫を加え、敢えて焼成温度にムラをつくり、濃中淡と様々な味わい深い表情を醸し出します。
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黒のような濃茶、穏やかな茶、力強い赤。此度、対岸の淡路の窯元に、赤を基調とした窯変平板瓦の復刻を依頼しました。
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二階から一階へ葺きおろした大屋根は、登り窯のそれのように地面に近づいて、降る雨を大地に戻します。屋根は雨露をしのぎ、その元で住み暮らすための建築の根源です。大屋根の下で、穏やか暮らしが宿ることをいつも願って建てています。
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播磨の北端、丹波の大自然を眺める場所で開かれる里山住宅博。15号地を任された私たち大塚工務店の拠点は播磨の東の端、明石です。かって瓦の名産地として栄え、昭和の最盛期には、日本七大瓦産地に数えられるほどでした。しかし各地の地場産業の衰退にもれず、二十軒をこえた窯元の数も次第に減り、平成に入り潰えてしまいました。

塩焼瓦と呼ばれた赤い釉薬の瓦は、民家の屋根を彩り、その赤は播磨の景色の一部となりました。

地域に根ざした企業として、衣食住の住を担う者として、住の文化の要を担った瓦の在り方をめぐることは、ひとつの使命だと考えています。

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