腕によりをかけて、丹精込めてつくった木の家、そんな15号地は絶賛住まい手さん募集中である。
大切に手入れをしながら、大事にみてもらいながら、木の家に住む愉しさ、木の家に居る楽しさを、公開する中で、体感してもらっている。
子供達にだって楽しんでもらいたい。ということで、小さな仕掛けを施した。一段二段下がった居間と呼ぶ絨毯敷きの場所。そこに、小さな積木と、それよりもっと小さな木っ端を箱に入れてそっとおいた。
小さな積木は、いわゆる国産材、日本で採れる木と、外国でしか採れない木に分かれていて、名前の書いたシールが貼ってある。子供達は名前なんて気にせずに、硬さも香りも色もどれひとつ同じでない積木を何かに見立てて、楽しんでいる。
さらに小さな木っ端は、森の小粒と名付けられ木の粒で、金平糖にように綺麗に角がとれている。檜や槙、たまに楠も混ざっている。林業の発祥の地、奈良は吉野の仏具屋さんが端材にひとつひとつ手を入れて木の粒に仕立てた良品である。
ちゃんとお片づけして帰ってもらいたいという、願望もある。一方で、おもちゃ箱をひっくり返して、ジャーッとできる居場所作りはもっと大事だと思う。
里の棚田のように、床の高さを違えて重ねた田の字型の間取り。土間を除いて、最も低くあしらった居間は、しばしばラウンジピットと呼ばれ、なんとなく包まれたような居心地が愉しい。もしかすると、太古の昔、土間を掘り込んで暮らした竪穴式住居の記憶か、とかなんとか 笑。
その少しの段差が、建具はなくとも境界となり、ここまでは散らかしていいところという縄張りとなり、実際にそれ以上は散らからない。
ちなみに、この羊毛を麻で編んだ絨毯、冬は暖かく、夏も気持ちいいウールのカーペットは、納得を経て提案したい第3の床材である。その性能は羊さんの毛であることはもちろん、裸足ではいても汗が気にならないことで有名なあのブーツの裏地に活用されていることでも、周知の事実だったりする。
石、木、草、ウール、硬さや由来も違う素材を愉しむのも、木の家つくりの醍醐味かと。